Classici giapponesi con furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Leggi 胡堂百話 (こどうひゃくわ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 124.386 caratteri · 248 schermate
見知り越しの三、四人と一緒に、玄関へ立っていると、新婚間もない久保猪之吉博士が、織江夫人と並んで、清らかな姿を見せたのが印象的だった。
谷中の大覚寺への葬列は、秋の陽の下を、俳人、文壇人の総ざらいであった。柩を埋めて、その上に置いた銅板に「子規居士」と鋳抜いた素朴な墓碑銘が、今もありありと眼の底に浮かぶ。
私は、子規の筆蹟を、手に入る限り集めたが、珍しいのは、夏目漱石から、子規にあてた手紙がある。
子規が大学がいやになって、大宮市の宿屋で、ふてくさっているのに、漱石が心配して出したものだ。教授たちに話をつけて、九月に追試験を受けられるようにしたから、是非帰って来いとすすめたものだ。
それにもかかわらず、子規は中退してしまったが、同じく大学を半途でやめた私は、この手紙が身につまされてならぬのだ。辰野博士にこの話をしたら、
「それはおもしろい。子々孫々に伝えて、家宝にしろ」
と、いってくれた。
子規は、まあ、これくらいにして、田山花袋氏に逢ったのは、それより大分、のちである。出世作「蒲団」を書いたのが、明治四十年であるから、すでに文名嘖々たるものがあるのに、代々木山谷の家を訪ねるのに、花袋では分らず、本名の田山録弥さんときいて、やっと分った。