Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こどうひゃくわ

胡堂百話

野村 胡堂

Leggi 胡堂百話 (こどうひゃくわ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 124.386 caratteri · 248 schermate

Aozora Bunko

新渡戸稲造先生

しかめッ面をして、中学生のひとりごとのようなものを書くばかりが小説ではない。

新渡戸稲造先生

私の一高時代の恩師に農学博士で、法学博士で、そして文学博士の新渡戸稲造先生がある。ゲーテとカアライルの講義のおもしろかったこと。今でも、はっきりと、口調まで覚えている。

この謹厳な新渡戸博士が、芸妓の出る宴会に列したことがある。老妓の一人が、三味線をとって、

「さいた桜になぜ駒つなぐ。駒がいさめば花が散る」

とうたうと、博士は、うーむと感心して、

「日本にも、こんな素晴らしい詩があったのか。一体、これは誰の作だ」

といった。芸妓の方が、今度は、びっくりして、

「こんなのなら、いくらでもありますよ。どなたの作かは知りませんけれど……」

「そうか。もっと、いいのがあるのか。では、是非きかせてくれ」

「はい、はい。いくらでもうたいますよ」

そこで、いくつも、都々逸をきかせた。けれど、博士は首を横に振って、

「みんな駄目だ。咲いた桜……に及ぶものは一つもないじゃないか」

と、読み人知らずの、咲いた桜を、いつまでも、いつまでも、ほめていた。

作者の伝わらないのは、都々逸ばかりではない。