Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Leggi 三国志(三) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 312.452 caratteri · 628 schermate
曹操は、手を打って、大いに笑いながら、
「いや、そちの意見も、郭嘉のことばも、まるで割符を合わせたようだ。予も、欠点の多いことは知っている。そういいところばかりある完全な人間ではないよ」
と、彼の言をさえぎってからまた、真面目に云い直した。
「しからば、袁紹の使いを斬って、即時、彼に宣戦してもよいか」
「いや! その儀は?」
「いけないか」
「断じて、今は」
「なぜ」
「呂布をお忘れあってはなりません。常に、都をうかがっている後門の虎を。――それに、荊州方面の物情もまだ決して安んじられません」
「では、なお将来まで、袁紹の無礼に忍ばねばならんか」
「至誠をもって、天子を輔け、至仁をもって士農を愛し、おもむろに新しい時勢を転回して、時勢と袁紹とを戦わせるべきです。――ご自身、戦う必要のないまでに、時代の推移に、袁紹の旧官僚陣が自壊作用を起してくるのを待ち、最後の一押しという時に、兵をうごかせば、万全でしょう」
「ちと、気が長いな」
「何の、一瞬です。――時勢の歩みというものは、こうしている間も、目に見えず、おそろしい迅さでうごいている。――が、植物の成長のように、人間の子の育つように、目には見えぬので、長い気がするのですが、実は天地の運行と共に、またたくうちに変ってゆくものです。