Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Leggi 三国志(三) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 312.452 caratteri · 628 schermate
「今の世に、誰かよく、そんな資質を備えた人物がおりましょう。無理なお求めです」
「いや、ある!」
曹操はいきなり指をもって、玄徳の顔を指さし、またその指を返して、自分の鼻をさした。
「君と、予とだ。今、天下の英雄たり得るものは大言ではないが、予と足下の二人しかあるまい」
そのことばも終らないうちであった。
ぴかっ――と青白い雷光が、ふたりの膝へ閃いた、と思うと、沛然たる大雨と共に、雷鳴がとどろいて、どこかの大木にかみなりが落ちたようであった。
「――あッ」
玄徳は、手にしていた箸を投げ、両耳をふさいで、席へうっ伏してしまった。
それは天地も裂けるような震動だったにちがいないが、余りな彼のおののきに、席にいあわせた美姫たちまで、
「ホ、ホ、ホ、ホ」と、笑いこけた。
曹操は、疑った。しばし顔も上げないでいる玄徳を、きびしい眼で見ていた。しかし美姫たちまであざけり笑ったので、思わず苦笑の口もとをゆがめ、
「どう召された。もう空ははれているのに」と、いった。
玄徳は酒も醒め果てたように、
「ああ驚きました。生来、雷鳴が大嫌いなものですから」
「雷鳴は天地の声、どうしてそんなに怖いのか」