Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Leggi 三国志(三) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 312.452 caratteri · 628 schermate

Aozora Bunko

開けないとはいわん」

「早くいたせ! 早くッ」

「仕方がないやつ」

慄えあがって、渋々、開けようとしていると、関羽、張飛のふたりを追ってきたらしい相府の役人や兵たちが、

「ならんならん。丞相のおゆるしを得てというのに、理不尽に押し通った乱暴者、通ってはならんぞ」

と、どなりながら、左右から組みついてきた。

「虫ケラ。踏みつぶされたいかッ」

叩きつける、踏み放す、つまんで投げ上げる。

わっと、怯んで逃げるまに、張飛は大石を抱えあげて、門へぶっつけた。

ふたりは躍りこんで、梅林のあいだを疾風のごとく馳けた。玄徳は今しも、宴の席を辞してかえりかけているところだったが、その小亭の下まで来るやふたりは、

「おおっ、わが君」

「家兄っ」

と、大地にペタとひざまずき、その無事なすがたを見て、こみあげるうれし涙とともに、一時にがっかりしてしまって、しばし肩で大息をついていた。

曹操は、見とがめて、

「関羽と張飛の二人よな。招きもせぬに、何しに来たか」

「はっ……」と、関羽は咄嗟に答えにつまって、

「さ、されば……折ふしのご酒宴とも承り、やつがれども、つたない剣を舞わして、ご一興を添えんものと、無礼もかえりみず推参いたしました」