Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Leggi 三国志(三) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 312.452 caratteri · 628 schermate
けれど吉平の容子は――その五体の皮肉こそ朱にまみれてはいたが――常の落着きとすこしも変るふうはなかった。
むしろ見ている人々のほうが凄惨な気につつまれてしまった。曹操は余り度をこして、臣下の胸に自分を忌み厭うものの生じるのをおそれて、
「獄に下げて、薬をのませておけ、毒薬でなくてもよろしいぞ」
と、唾するように云った。
それからも連日、苛責はかれに加えられたが、吉平はひと口も開かなかった。ただ次第に、乾魚のように肉体が枯れてゆくのが目に見えて来るだけである。
「策を変えよう」
曹操は一計を按じて、近ごろ微恙であったが、快癒したと表へ触れさせた。そして、招宴の賀箋を知己に配った。
その一夕、相府の宴には、踵をついでくる客の車馬が迎えられた。相府の群臣も陪席し、大堂の欄や歩廊の廂には、華燈のきらめきと龕の明りがかけ連ねられた。
こよいの曹操はひどく機嫌よく、自身、酒間をあるいて賓客をもてなしなどしている風なので、客もみな心をゆるし、相府直属の楽士が奏する勇壮な音楽などに陶酔して、
「宮中の古楽もよいが、さすがに相府の楽士の譜は新味があるし、哀調がありませんな。