Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Leggi 三国志(三) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 312.452 caratteri · 628 schermate

Aozora Bunko

「しかし、劉皇叔とこなたとは、まだ一兵一槍もない貧窮のうちに結ばれ、百難を共にし、生死を誓ったあいだでござる。さりとて、丞相の恩義を無に思うも武人の心操がゆるさぬ。何がな、一朝の事でもある場合は身相応の働きをいたして、日ごろのご恩にこたえ、しかる後に、立ち去る考えでおりまする」

「では。……もし玄徳が、この世においでなき時は、どう召さる気か」

「――地の底までも、お慕い申してゆく所存でござる」

張遼はもうそれ以上、武人の鉄石心に対して、みだりな追及もできなかった。

門を辞して帰るさも、張遼はひとり煩悶した。

「丞相は主君、義において父に似る。関羽は心契の友、義において、兄弟のようなものだ。……兄弟の情にひかれて父を欺くとせば、不忠不義。ああどうしたものか」

しかし彼は、関羽の忠節を鑑としても、自分の主君に偽りはいえなかった。

「――行って参りました。四方山ばなしの末、いろいろ探ってみましたが、あくまで留まる容子は見えません。丞相の高恩はふかくわきまえていますが、さりとて、心をひるがえし、二君に仕えんなどとは、思いもよらぬ態に見えます」

歯に衣着せず、張遼はありのままを復命した。