Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate

Aozora Bunko

て、黙ってそれから先はわしに尾いておいで――という。

気が気ではない――

もう夕方は迫っているのだ。

沢庵はと見れば、本堂の隅で、猫といっしょに昼寝をしている。

住持をはじめ、寺男も、納所の者も、彼女の空虚な顔を見ると、

「およしよ、お通さん」

「かくれておしまい」

沢庵との同行を極力避けるようにすすめたが、さりとてお通は、そんな気にもなれなかった。

もう、西陽が、沈みかける。

中国山脈の皺の底のような英田川と宮本村は、夕方の濃い陽かげになりかけた。

猫が、本堂から飛び降りた。――沢庵が眼をさましたのである。廻廊へ出て、大きな伸びをしている。

「お通さん、そろそろ出かけるが支度をしてくれんか」

「草鞋と、杖と、脚絆と、それから薬だの桐油紙だの、山支度はすっかりしておきました」

「ほかに、持って行きたい物があるんじゃ」

「槍ですか。刀ですか」

「なんの。……ご馳走だよ」

「お弁当?」

「鍋、米、塩、味噌。……酒もすこしありたいな、何でもよい、厨にある食い物を一括げにして持って来ておくれ。杖に差して、二人で担いで行こう」

縛り笛

一

近い山は漆より黒い、遠い山は雲母より淡かった。