Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate

Aozora Bunko

人間の勇気と、動物の勇とは質がちがう。真の勇士の勇と、生命知らずの暴れンぼの無茶とは、根本的にちがうものであるともあの人は俺に教えた。

目があいたのだ。――心の目が、何かこう世の中の怖さがうッすらと見えだして来たために、生れながらの己れに返ってしまったのだ。――生れながらの俺は決して野獣ではない、人間だった。

その人間になろうと思い立った途端に、俺は、なにものよりも、この身に享けている生命というものが大事になってしまった。――生れ出たこの世において、どこまで自分というものが磨き上げられるか――それを完成してみないうちに、この生命をむざと落してしまいたくないのである。

「……それだ!」

我を見出して、彼は空を仰いだ。

だが――姉は救わずにはおけない。たとえ、それほど惜しいそれほど怖い今の気持を冒してもである。

夜になったら、今夜はこの絶壁を降りて、あなたの絶壁へ上がってみよう。この天嶮をたのんで、番所の裏手には柵もなし、手薄でもあるらしい。

――そう思い決めていた時である。足のつま先から少し離れた所へ、ぶすっと一本の矢が立った。

気がついてみると、彼方の番所の裏に、豆つぶほどな人間が多勢出て、どうやら自分の影を見つけて騒いでいるらしいのだ。