Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate
(――男と女のことは、男と女で考えるほかはない)
そういう暗示か、
(それくらいなことは、せめて自分で裁いてみるがいい)
と自分へ投げた試金石か。
武蔵は、思い沈んだ。――橋の下を行く水をじっと見つめたまま。
するとこんどは、お通からその顔をさしのぞいて、
「いいでしょう。……ネ、ネ」
と、すがる。
「いつでも、お店では、暇を下さる約束になっているんですから、すぐわけを話して、支度をして来ます。待っていて下さいましね」
「頼む!」
武蔵はお通の白い手を橋の欄干へ抑えつけた。
「――思い直してくれ」
「どういう風に」
「最前もいったとおり、わしは、闇の中に三年、書を読み、悶えに悶え、やっと人間のゆく道がわかって、ここへ生れかわって出て来たばかりなのだ。これからが宮本武蔵の――いや名も武蔵と改めたこの身の大事な一日一日、修業のほかに、なんの心もない。そういう人間と、一緒に永い苦艱の道を歩いても、そなたは決して、倖せではあるまいが」
「そう聞けば聞くほど、私の心はあなたにひきつけられます。私はこの世の中で、たった一人のほんとの男性を見つけたと思っております」
「何といおうが、連れてはゆかれぬ」