Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate
「お茶がこぼれますよ」
「茶などどうだっていい。おまえの好きな清十郎様が来ていらっしゃるのだ。なぜ早く来ないか」
「あら、こぼしてしまった。雑巾を持っていらっしゃい、あなたのせいですから」
「お甲は」
「お化粧」
「なんだ、これからか」
「でも今日は、昼間がとても忙しかったのですもの」
「昼間。――昼間、誰が来たのか」
「誰だっていいじゃありませんか、退いて下さいよ」
朱実は、部屋へ入って、
「おいで遊ばせ」
気のつかない顔をして横をながめていた清十郎は、
「あ……おまえか、ゆうべは」
と、てれる。
千鳥棚のうえから、香盒に似た器へ、鍔のついている陶器口の煙管をのせ、
「あの、先生は、莨をおすいになりますか」
「莨は、近ごろ、御禁制じゃないか」
「でも、皆さんが隠れておすいになりますもの」
「じゃあ、吸ってみようか」
「おつけしましょうね」
青貝もようの綺麗な小箱から莨の葉をつまんで、朱実は、陶器煙管の口へ白い指でつめ、
「どうぞ」
と清十郎へ吸口を向けた。
馴れない手つきで、
「辛いものだのう」
「ホホホ」
「藤次は、どこへ行った?」
「また、お母さんの部屋でしょう」
「あれは、お甲が好きらしいな。