Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate
吉岡家の家人、縁者、古参を中心として、一かたまりになりきれない程なあたま数が、幾組にもわかれて、額をよせ集め、何か、異論と主張と、評議紛々たるものがあった。
――が、相談はすぐ決まったらしい。吉岡家を思い、清十郎の実力をよく知る大勢の者の考えとして、奥に待っている無名の牢人を呼び出して、ここで無条件に清十郎へ立ち対わせることは、何としても不得策である。すでに、幾名かの死者と怪我人を出している上に、万一清十郎までが敗れたら吉岡家の重大事であって、危険極まるというのが、その人たちの危惧であった。
清十郎の弟、伝七郎がいるならば、そういう心配はまずないものと人々は思う。ところが生憎とその伝七郎までが、きょうは早朝からいないのだ、先代拳法の天分は、兄よりはこの弟のほうに多分によい質があると人々は見ているのだが、責任のない次男坊の立場にあるので、至って暢気者だ。きょうも友達と伊勢へ行くとかいって、帰る日も告げずに家を出ているのだった。
「ちょっと、お耳を」
藤次はやがて、清十郎のそばへ行って、何か囁いていた。――清十郎の面は堪え難い辱しめをうけたように汚れた。