Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate

Aozora Bunko

そして、

「――おじさんっ!」

いきなり、武蔵のふところへ飛びこんで来ると、

「嘘つきッ」

と、しがみついて、同時に、わっと泣いてしまったのである。

「どうした、小僧」

優しく抱えてやっても、ここは山の中だと承知の上で泣くように城太郎は、声をかぎりにおいおい泣く。

「泣く奴があるか」

武蔵が、遂にいうと、

「知らねえやい、知らねえやい」

身を揺すぶッて、

「――大人のくせに、子供を騙していいのかい! ゆんべ、弟子にしてやるといったくせに、おらを置いてきぼりにして、そんな……大人があっていいのかい」

「悪かった」

謝ると、今度は、泣き声を変えて、甘えるように、わあん、わあんと、鼻汁をたらして泣く。

「もう黙れ。……騙す気ではなかったが、貴様には、父があり主人がある。その人達の承知がなくては連れて行かれぬから、相談して来いと申したのだ」

「そんなら、おらが返事にゆくまで、待っていればいいじゃないか」

「だから、謝っておる。――主人には、話したか」

「うん……」

やっと黙って、側の木から、木の葉を二枚むしり取った。何をするのかと思うと、それでチンと鼻をかむ。

「で、主人は何と申したか」