Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate
「試合うてみる気か」
「せっかく、宝蔵院を訪れたからには、院主の槍法を、一手なりと、拝見したいと思いますので」
「よしなさい」
日観は、顔を振って、
「いらぬこと」
と、たしなめるように重ねていう。
「なぜですか」
「宝蔵院の槍とは、どんなものか、今日の阿巌の技で、お身はたいがい見たはずじゃ。あれ以上の何を見る必要があるか。――さらに、もっと知りたくば、わしを見ろ、わしのこの目を見ろ」
日観は肩の骨を尖らして、武蔵と睨めっこするように、顔を前へつき出した。くぼんでいる中の眼球が飛び出して来るように光った。じっと見つめ返すと、その眼は、琥珀色になったり暗藍色になったりいろいろに変って光る気がするのである。武蔵は、遂に眼が痛くなって、先にひとみを外してしまった。
日観は、カタカタと板を鳴らすように笑った。後ろへ、ほかの坊主が来て、何か訊ねているのである。日観は顎をひいて、
「ここへ」
と、その坊主へいった。
すぐ高脚の客膳と飯びつが運ばれて来た。日観は、茶碗へ山もりに飯を盛って出した。
「茶漬けを進ぜる。お身ばかりでなく、一般の修行者にこれは出すことになっておる。