Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 231.525 caratteri · 463 schermate
(斬られては損)
(死にたくない)
(なるべく他人に当らせて――)
というような雑念の傍らに刃物をふり廻している牢人たちが、歯ぎしりしても、一人の武蔵を斬り仆し得ないのみか、却って、その死にたくない奴が、盲目あたりに真っ向から割りつけられたりしてしまうのも皮肉ではあるが、是非もない。
槍をならべている宝蔵院衆の中の一人が、それを眺めながら、自分の呼吸をかぞえていると、その時間は、呼吸のかずにして約十五か、二十をかぞえるに足らない寸秒の間であった。
武蔵の全身も血。
残っている十人ほどの牢人もみな血まみれ。あたりの大地、あたりの草、すべてが朱く泥んこになって、吐き気を催すような血腥さいものが漲ると、それまで支えていた牢人たちも、とうとう恃む助勢を待ちきれなくなって、
「わあっ――」
と迅く――或る者は――ひょろひょろと、八方へ逃げ足を散らかした。
それまでは、満を持して、白い穂先をつらねていた宝蔵院の槍仕たちが、どっと、一斉にうごいたのは、それからであった。
七
「神さま!」
掌をあわせて、城太郎は、大空を拝んでいた。
「――神さま、加勢してください。わたくしのお師匠様は今、この下の沢で、あんな大勢の敵と、ただ独りで闘おうとしているんです。