Classici giapponesi con furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Leggi 胡堂百話 (こどうひゃくわ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 124.386 caratteri · 248 schermate
奥羽山脈を横断して、四日目に能代へたどりつくと、地方の俳壇で鳴らしていた島田五工の家へころがりこんだ。北上川で、河舟はこいでいるが、日本海の風光は、また珍しい。さっそく、浜辺へ地引網の見物に出かけた。
あの辺は、一体に、女性が、たくましくて、勇ましいところである。男鹿半島あたりでは、男が沖へ出たあとを、女ばかりの消防団まで出来ている。
私たちが、能代の浜へ行った頃は、もちろん、そんな組織はない。その代りに、たくましいことは、もっと、たくましかったのであろう。網が手繰り寄せられれば、飛びついて行って手つだうために、漁師のおかみさんたちが、砂浜一ぱいに待機している。
私たちが、近よってゆくと、妙な眼をして、からかいはじめた。五人の中では、猪狩五山が一番の美少年だった。それに五山は、どういう料簡か、盛岡を出発する時から、墨染の法衣を着ていた。どこの寺から借り出したものか、青く剃った頭によく似合った。それが、おかみさんたちのイカモノ趣味を、そそったのだろう。半世紀前の漁村には、駒込吉祥寺の寺小姓くらいに、見えたのかも知れない。
「よウ。もっと、こっちへ寄って、一緒に、引っ張りましょうよウ」