Classici giapponesi con furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Leggi 胡堂百話 (こどうひゃくわ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 124.386 caratteri · 248 schermate
歌の選評も一段落となって、皿に盛った食事が出た。中をのぞくと、黄色いドロドロしたものが、かけてある。目白のエサみたいな気がして、薄気味悪かったけれど、サジでかき回して口に入れると、意外な珍味なのでキモをつぶした。
啄木も、生れてはじめての経験だったに違いない。どんな顔をするかと見ていると、彼は、うまいともまずいとも言わず、ちょっと首を傾けただけで、黙々として口を動かしている。さては、歌を考えているのだろうと思ったが、啄木に、カレーライスの歌というのがあったかどうか、私は知らない。
それよりも、盛岡で忘れられないのは馬肉である。天下に名高い南部駒の産地であるから、その肉も定めし美味だろうと考えるのは、事情を知らぬ他府県の人で、実は非合法の隠れ食いなのだ。
その頃の岩手県では、馬肉を食べるのを厳禁していた。馬産地だから食べてはならぬというのである。食べないのが可愛がることになるのか、大いに食べる方が産馬奨励になるのか、ここの理屈は、今でも、よく分らないのだが、とにかく、表向きは禁止令が出されていた。
猪川塾の中学生たちは、みんな食欲の権化であるが、一カ月二円七十銭也の食費では、ロクなおかずの付くはずはない。