Classici giapponesi con furigana
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こどうひゃくわ
胡堂百話
野村 胡堂
Leggi 胡堂百話 (こどうひゃくわ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 124.386 caratteri · 248 schermate
ここまでは、簡単に肚がきまった。
私は、南部領の百姓の子で、三代前の祖先は、百姓一揆に加わっているはずである。道で、二本差した人間に逢うと、たとえ土砂降りの中でも、大地に手をついて……と、いうところまでは、明治生まれの私は体験していないが、それでも被りものをとって、目礼くらいは、捧げる習慣が残っていた。先祖が人を殺した手柄で、三百年の後までも無駄飯をくっている階級が、どうも、私は好きになれないのだ。のちには池田大助や、磯川兵助を書いたが、これだって、いわば、武士らしくない武士である。
だが、ただの御用聞きでは、芸がない。いろいろ考えているうちに、ふと浮かんだのが水滸伝である。北上川の土手づたいに、二年でも三年でも話せるぞと、村童たちに威張ったころから、頭のひき出しの中に、しまってあった百八人の豪傑である。
鉄の錫杖をふりまわす花和尚魯智深、馬上に長刀を操る九紋竜史進。二丁の斧をかるがると揮う黒旋風李逵。いろいろの風貌が浮かんでは消えたが、さて、鉄棒やマサカリは、捕物帳の道具にならない。棒の達人、豹子頭林沖は勇ましいが、江戸の町では、しょっちゅう、六尺捧をかかえて歩かせるわけにはゆかない。