일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ロザリオのくさり

ロザリオの鎖

永井 隆

永井 隆의 ロザリオの鎖(ロザリオのくさり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,351자 · 213화면

아오조라 문고

そして町には有閑夫人と称する階級がのさばっている時代であった。食糧だって腐って捨てるほどあった。妻は晴れた日には肥おけを担って畑に働き、雨の日には縫い物や編物に手を休めなかった。そして浦上十八ヶ町の婦人会連合班長の忙しい役も果たしていた。その上、私の妻という仕事、半狂人の世話もせねばならなかったのである。

一つの新しい研究にとりかかると、私の人間が変わる。研究主題に全心を奪われてしまうのである。幾日も図書室にこもって先人の業績を調べる。カードをつくる。それをひと通りまとめて、さてわが新機軸を考案する。実験装置をつくる。いよいよ実験にかかる。何か月かで成績が出る。それをまとめて、論文を書く、校正をする、という経過なのだが、その間は研究以外のことが頭にはいらないのである。話しかけられれば答えはする。めしを出されれば食う。子供が泣けばにらむ。しかし、何を言ったのか、何を食ったのか、何をしたのか私は覚えない。大学から帰る道で妻と行き会いながら、知らずに通り過ぎたことが二回あったそうである。あとで妻から聞いて、ほうと私は言った。そんな時には私の眼は宙を見すえていて、口の中で何かぶつぶつ言っているので、気味悪いそうである。