후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
永井 隆의 ロザリオの鎖(ロザリオのくさり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,351자 · 213화면
パン
今朝別れ、今夜また会うときまっている母親が今ここに姿を見せぬからとて、一つ年上のいとこはこれほどに泣いている。カヤノはその千倍も万倍も泣きたいにちがいない。
――しかしカヤノは泣かぬ。くちびるをかみしめて私のまくらに寄りそっている。私はこのときはじめてカヤノが泣かぬ子になったわけを知った。
笑いを失った者は不幸だと言われている。泣くことのできぬ子はさらに不幸である。なぜならば、慰めてくれる母をもたぬからである。
パン
弟が中央アジアから帰ってきて、間もなく妹の夫もシベリアから帰ってきた。二人は私の家に同居している。二人はいずれも関東軍の兵隊だったので、降伏してからソ連に送られ、それぞれ収容所で重労働に従っていたものである。同じ境遇にあったので話もよく合うらしく、毎日毎日起きるから寝るまで、向こうでの生活について聞いたり答えたり話したり相づち打ったりしている。二人の話を幾日か私は寝床で聞いていて心をうたれた。──実に、二人の話題はパンのみに限られているのである。収容所で与えられたパンの量について、毎日毎日比較し、議論し、追懐している。そしてそれが実に興味しんしんたるものであるらしい。