후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
油断して林道を踏み外すと全身雪の中に埋没してしまう。二時十五分漸く三宝山の下まで辿り着たが右に下る道筋が容易に見付からないので、雪を掻いて地面を改めたりなどした。膝から下は既に感覚を失って、埋れ木に向脛や跖などを払われたり打ち付けたりしても少しも痛さを感じない。甲武信岳の頂上に着いた時、誰が捨てたものか蓑が一つ置いてあるのに気が付いた、勿論多少の雪は覚悟していたのであるから、あれで支度をして来ればよかったと後悔しても、今更どうすることも出来ない。一層のこと復去年のように真ノ沢を下ろうかと思った。けれども水のある所へ達する迄は四、五尺の積雪を踏み分けて行くのが困難である。寧ろ不可能と称してよい。二、三十分も迂路付いた果てに林道が通じているらしい木立の間を少し辿って見ると、慥にそれであることが分ったので安心はしたものの、雪の尽きる所まで二十町許の間を非常に困難して、三時半辛くも雪から脱れ出た時は、久振りで土を踏んだような気がして嬉しかった。
早速火を焚いて凍えた体を暖め、濡れたズボンや脚絆を乾した。見ると向脛には幾所か紫色の斑点があり、跖にはとげが二つ許り刺さっていた。