후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
南又を遡る
南又を遡る
七月二十六日。午前六時二十分、片貝谷の野営地出発。七時十分、オノマ(東又南又合流点)。南又に入る。八時二十分、岩屋の大小屋。初めて残雪を見る。九時十分、坂様谷。之より四、五町にして路尽き、河床を辿る。十一時、左岸に少許の平地を見る。昼食。午後十二時十分出発。十二時四十五分、右岸に頗る多量の残雪あり。一時、猫又谷釜谷追分。釜谷に入る。二時五分、雪渓に達す。二時三十分、雪渓尽きて三段の瀑布となる。左岸の崖頭を横に搦みて一時間の後之を通過し、三時三十分、再び雪渓。四時五十分、雪尽きて渓二分す。左を登りしも水なきを以て、更に右渓を探りて水を得。偃松現わる。五時三十分、山の中腹急峻なる草原の斜面に露営。
暁近く河瀬の音に目が覚めた。仄白い朝の光が天幕の中に吊してある小田原提灯をぼんやり映し出す。昨夜は暑かったので、掛けていた毛布もいつの間にか足もとに丸められてあった。外へ出て其処らを見廻しながら立っていると、まだ夜の気の彷徨うている谷の向う河岸や此方の林の中で、青蜩が透き徹るような声で鳴き初めた。夕暮にこの蝉が鳴くと、妙に寂しい落ち着かない気分に誘い込まれるが、明方であると軽快な調子が驟か雨の瀉ぐように賑かだ。