일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)

山の憶い出 上

木暮 理太郎

木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면

아오조라 문고

夜営。夜風雨。

暁方目を覚すと霧が間近の木から木へ鼠色の幕を張り渡していた。夜中に焚火の煙だと思ったのは矢張この霧であったかも知れない。頭上に傘をさしかけたように枝を拡げた栂の葉からは、時折雨のように雫が落ちて来る。日の出に間もないと見えて、四辺が一しきりぽうと赤くなる。其頃から次第に霧も薄らいで、頭上には青空も見られるようになった。木の間に日の指す気配がして、そこにもここにも華やかな影が認められたが、それは霧の中から滲み出る今を盛りの紅葉であった。

昨日下りた所へ登りついてまじまじと周囲を見廻した。直ぐ目の下に鴨緑色の水を湛えた菅沼が手に届く程に近い。湖を匝って鬱蒼たる針葉樹の梢が無数の鉾を建て連ねたように、水際からひら地へ、ひら地から山腹へ、すくすくと立ち並んでいる。其間に闊葉樹が黄や紅の冴えた色を丸くこんもりと盛り上げる。奥白根の渋色のドームが南の空に半ば雲に包まれている。行手には四郎岳らしい鈍円頂が雲から吐き出されたように不意に木の間から姿を見せた。

小さな隆起を二つ許り越して、倒木の横たわっている笹の中を一の峰に登った。菅沼と丸沼とを分つ尾根が南に出ている。