후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
。絶頂はしかし雲にかくれていた、稍強い南風が吹いているらしく、雲は北に靡いてちぎれ飛んでは、冴えた蒼空に消えてしまうが、しっかりと額に捲き付いている雲の嵩はいつも変らなかった。日の出が近づいたか、その雲は真紅に燃えて、河の水を冷たく色どった。
大きな握飯を十二、これは屏風岩の小屋に人の居なかった場合を考えて、三食分を用意したのだった。庭に生えている木からもぎ取った林檎が十五、これは山には水がないからと心配したお婆さんの親切からであった。これで支度が整うと、登路の略図を描いた一枚の半紙をしっかと懐に入れて、この今も忘れ難いなつかしい家を後にした。縁先まで見送りに出たお婆さんは、無事に下山したら必ず端書を出すようにと繰り返していった。屹度出しますと答えたが、遂に此約束を果さなかったのは、実に済まない事をしたものだと今でも後悔している。尤も翌日頂上で測量小屋の人夫に、もし戸台へ下る人があったら立ち寄って貰うようにと、お婆さんへの伝言を頼んでは置いたが、戸台へ下る登山者などがあろう筈もないから、それが実行されたものとは思われない。二度目に行った時には生憎くお婆さんは居なかったので、確める由もなかった。