후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
黒川(戸台川)を右に左に五、六回も徒渉して、薮沢と赤河原との合流点で一休みした。昨日は雨の為に路傍の鷹岩や、対岸の傘石など知らずに通り過ぎ、今日は白岩も三ツ石も見たのか見なかったのか記憶がない。白山の記行には「白岩至三石、数百歩間、河水入地」とあって明かに全川伏流を為していたが、私の時には伏流どころか奔流が波を揚げていた。此処までは北沢峠を踰えて、野呂川の谷へ岩魚釣りが入るので、はっきりした蹈跡がついていた。赤河原から路は全く荒廃して、地盤の変化が起りそうもない岸の上などに、ところどころ昔の路が残っているのみであった。それで河の中をじゃぶじゃぶ進んだ。一度などは瀑の下の淵が通れないので、其上に横たわっている倒木を渡ったところ、朽ちていた皮がつるりと剥がれた拍子に足場を失ってざんぶと淵に陥り、ずぶ濡れになって這い上ったりした。もう此頃から空はすっかり曇って、時折り霧が捲いて来るようになった。
左の谷に在る瀑は、青葉越しに既に遠方から見えていた、其印象は鮮かに残っている。五万分一の図に拠れば、しかし入口からでなければ見えない筈である。何時の間にか左の谷に入り込んだのを知らずに真直に歩いていたものと思っていた為に、右の谷は横から来り合したもののように今でも考えられるのであろう。