후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
吾が前に立てるを、やをら仰ぎ見たる時の心地は、玄圃※(「門<(螂-虫-おおざと)」、第3水準1-93-50)苑の花蔭に天つ乙女の嫣然としてわれを邀へたらむも斯くやと覚えて、嬉しくもまた懐しくも、目こそ見ね耳こそ聞かね、手もて招き声ありて呼ばふが如くなるに、神馳せ魂飛び、満身の血潮は自ら高まりて、景仰の念思慕の情、油然として胸中に溢るゝを禁じ得ざる習なるは、一たび高山に登りたる人の忘れんと欲して能はざる所なる可し。曾て和田峠の巓より遥に東南の天を望み、駒ヶ岳の雲際に※(「山/召」、第4水準2-8-36)嶢たるを見て、神往に堪へず、心窃に他日の登躋を期せしもの、坤霊応あり、今や身親しく其土を蹈み、其嶮を攀づるに及びて、暴風雨の為に的※(「白+樂」、第3水準1-88-69)たる山貌を咫尺の間に目睹する能はざりしわが遺憾は、嵯峨野の奥の情人をたづねてえ逢はざりし横笛が恨にも較ぶべくや。
瀑を下るのは、岩が濡れたので登る時よりも困難であった。懐中の略図を取り出して見ると、ヒキ岩は合流点の附近に描いてあるので、注意して探し乍ら行くとすぐ見付かった。合流点よりも瀑の方に近かったように思っている、赭色の大きな岩で、川に面して屹立した概形がつくばったヒキに似ているので其名を得たものであろう、ガマ岩とも呼ぶそうである。