후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
少なくとも今日はそうでなければならない。斯うして関東平原から私達を追跡して来た雲の脚は、此処で挫けた。私は例えば引かれぬ意地で人を斬って家中を立ち退いた士が、危く他領へ逃げ込んでホット一息しつつ、恐ろしい追手の姿を見送るにも似た心もちで、東の空を眺めていた目を晴れた北の空に向けた。
冬の間日本海は、殊に多量の雪を日本北アルプスに与えて、自ら象嵌し、蝕鏤し、彫刻する材料たらしめる。私達は夏が来るまで親しく其装飾された山谷の模様を睹る可き自由を欠いているが、山は其間にこの豊富な材料の幾割かを費消して、象嵌す可きは象嵌し、はたそれぞれ蝕鏤し彫刻して、期待された使命を果たすばかりに止まらないで、更にまた幽壑には飛橋を渡し、絶崖には長梯を架して、驚異し嘆美し、そして自己を満足させようとする山岳宗徒に、惜しいことではあるが日本南アルプスでは容易に見ることの出来ない雪の宝殿を公開するのである。
抵抗し難い北侵の力――私はそれを呪いながらも、一面に於てその御蔭を蒙っていることを否む訳にはいかない――から絶えず圧迫を受けながらも、猶お能う限りの保護と愛惜とを加えて居るこの雪の宝殿が、今や其夏が来て巡礼の途に上りつつある私達の目の前で、南方の侵入者に勝手に引掻き廻わされることは、よしやそれが柔かな白い雲の手であるにしろ、わが