후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
唯一列の嶄岩――或者は縦横に切りさいなまれて創だらけの胴体が今にも一片一片剥がれ墜ちようとし、或者は堅硬な岩面に加えられた風雨の鑿氷雪の鉋に抉られ削られて、滑かな膚が鋭い菱角を尖らせ、伏すもの、峙つもの、横に長きもの、縦に平たきもの、紛然と入り乱れた上を、両手に石を抱いておずおず辿って行く。偃松はとうに姿を匿してしまった、いつも壊滅の岩間に繊細い根を下ろして、生の教義を力強く宣伝している麗しい高根の花、それさえも影を見せない。この酷たらしい山の残骸!
しかしこんな光景も次第に目慣れて来た。崖頭が行けなくなると左に廻って、岩間を塗り固めた雪の壁に鉈で足場を刻み、其内縁を伝いながら岩峰の横を搦んだりなどする。一度岩の狭間が相対して幅三、四尺高さ一丈二、三尺の峭壁を突き出している処にぶつかった、私達の立っている岩壁の中途には約一尺幅の平らな段がぐるりと取り巻いている、向いの岩壁には斜に五、六尺を隔てて夫よりも心持高いかと思われる位置に厚さ五、六寸大さ三尺に近い四角な岩片が附着している、岩と壁面との間に裂目があるから附着しているとしか考えられない。其横には屋根ほどの大きな岩が傾斜の緩い好い斜面を此方に向けて拡げている。