후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
私は例に依って独り堰のように水中に盛り上った岩の堆積の上を伝って行く。其中の一が昨日通った時には異状もなかったので、何気なく飛び移った拍子にゴトリと脆く崩れる。不意に足を浚われた体は苦もなく下の深みへ押し墜されて、頭から滝の水をザブリと浴びた。杖を力に立ち上ると水は胸迄しかないので、岸近くだけに急いで駆け上ったが、もう後の祭であった。
日脚の指さぬ谷間の空気は急に寒さを増したような気がする。衣物を脱ぎ替えようとしたが、「ナニ案じはねえ、歩いている中には乾く」と長次郎がいうので、夫もそうだと思って面倒だから止めにする。日向へ出て休もうというので長次郎は頻に急いだ。私は水の溜った上衣の隠しからグショ濡れになった手帳を取り出して、一枚一枚丁寧に紙をめくりながら手に持って、遅れじと其跡に跟いて行く。間もなく雪田の縁に達して暖かい日の光が雪の上に長い影法師を映し出した時には、生き返ったように感じた。
焚火をして暖まりながら濡れた物を乾かした。長さ二町にも余る雪田の上には、雪崩の為に掻き取られた大きな土の塊が二つ三つ横たわって、矮い灌木などが生え茂っている。