일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)

山の憶い出 上

木暮 理太郎

木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면

아오조라 문고

実君一人は別山の頂上を指して先へ登ってしまった。一仕事した後の疲れといったような軽い懶さがすぐ眠りと連れ立って、ともすればこの肉体を蝉の脱け殻かなんぞのように振り捨てようと機会を窺っているらしい意地悪の魂を誘い出そうとする。抵抗の無益なるを悟ってか、上下の瞼は既に妥協を遂げたらしい。陽炎のようなものが目前をぐるぐる廻っている、快い草の香が頻りに鼻を襲うて来るまでは覚えていたが。

仮睡の夢からさめて筋を抜かれたようにだるい体を、幅の広い急な雪の上を運びながら、漸く別山乗越の頂上に達した。この雪は先年劒へ登った時よりも反て少ないように思われたが、地獄谷から室堂方面に眼を放つと今年の雪の多いことが首肯かれる。岩と緑とそして残雪とに按配された美しい山谷の模様は、依然として変らぬ美しさを持っている。朝の御山廻りを済した連中であろう、室堂と地獄谷との間を蟻のように往来しているのに気が付く。この大きな立山の猫の額ほどの地に室堂があって、年に幾千の登山者が草鞋の痕を踏み付けるにしても、夫が何の障りになったとも想われない。森厳なる自然の殿堂を其鎮座の所として、おごそかなる式のもとに開かるる神龕の前に額ずく今の人心には、只管に神を敬い畏みたる昔の人のように堅い信念に支配されて、禅頂の耐え難い願いから登山するものであるか否か