일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)

山の憶い出 上

木暮 理太郎

木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면

아오조라 문고

而し斯ういう事には後になって其権利を主張する多くの人が現われて来るものであるし、又それが正しかった場合も稀にはあるから、私は自分の知っている範囲と断って置く必要がある。勿論黒部川を横断したり或は其一部を上下した人は、以前にも少くないが、これは黒部川が目的ではなかった。

中村君は大正四年の七月から十月まで鐘釣温泉に滞在して、画作の傍附近を跋渉し、其折案内者として同伴した音沢村の佐々木助七から、黒部に関する多くの知識を得て、益々下廊下探査の素志を堅くしたらしい。其後幾度か計画が立てられて私も之に与った。しかし予想以上に嶮難の恐ろしいものがあると思われた為に、容易に実行の運びに至らなかったが、遂に大正八年七月下旬を期して二人で之を決行することになったのであった。

今から当時を追想して見ると、私達の準備には多くの欠陥があった。綱なども三十米のものを一本しか携帯しない、夫も本式の物ではなかった。天幕も五人用のもの一張に過ぎない。それに中村君は油絵の材料を忘れなかった。これに身廻りの品を合せると、五人しかいない人夫の中から一人を要した程の重さであった。私達は何と暢気なことであったろう。