일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)

山の憶い出 上

木暮 理太郎

木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면

아오조라 문고

から入ることにしたのであった。

富士駅で身延線に乗換え、翌日の午前五時少し過ぎに大宮町に着いた。先発の松本君に迎えられて、先ず浅間神社に参詣する。夏ならば賑かであろうが、今は広い境内に人影も無い。鳥居をくぐると染井吉野や枝垂桜の交った一町余りの桜並木が八分の開花を見せて、稍紅の濃い葩からは、宵に降った雨の名残の雫がはらはらと滴っている。石の瑞牆を廻らした随身門の内にも桜が多い。それが濃緑の大きな杉森を背景として、くっきりと白く浮き出している、華やかで神々しい。普通とは少し構造を異にした社殿の朱の欄干も物さびて、懐しく心を惹く。御手洗は瑞牆の外で東の方に在る。清い水が滾々と湧き出して大きな池を湛え、溢れて神田川となり、末は潤川に注いでいる。水面からは霧が白く立ち昇って、掩いかかる常緑の闊葉樹の間に消えて行く、そこからは頻に鳴く鶯の声が洩れ聞えた。

少憩して用意の朝食を済し、社の前から二町許西へ行って、甲府に通ずる広い道を北に向って進んだ。昔武田信玄が海道筋へ出兵する時に、屡軍押しをした道であろう。重く垂れていた雲は次第に雲切れがして青空が顕れ、五、六寸も伸びた麦畑の上では雲雀が長閑に囀り、路傍には菫、蒲公英、草木瓜、などが咲いて、春は地上に遍かった。