후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
頂上は流石に風が寒い。日脚は西に傾いて、もう落ちるに間もあるまい。空は薄紫の烟のようにぽうっと霞んで、遠い雪の山は其奥に溶け込んでしまった。
頂上から東に向って栂の林の中を一筋の切明が通っている。夫を辿って四つ許り小さな峰を越すと、最後に一段高く岩峰が聳えている。それが御殿岩である。三人は此山の上で一休みした。一体に黒木の茂った唐松尾の連脈中で、頂上の露出した稍や高山的な地貌を有している山は此山の外にはない。
「明るい中に行けるだろうか、暗くなると困るぜ」
「行けるさ、もうすぐだろう、それに下りだもの」
将監峠の小屋に泊る筈になっている三人は、西の空を眺めて、不安らしく首を捻った。
岩峰を下って二つ程峰を踰えると、左に大きな尾根が出て、和名倉山(地図には白石山)に連っている。此辺から笹が茂り始めて、下るに随って丈が伸び、終には人よりも高くなる。そして其中には大きな倒木が横たわっているので、調子に乗って滑り下りると向う脛が逆に曲る程痛い目に遭う。
栂の梢にたゆたっていた淡い夕日の影は、木の間を透して高く望まれる真綿のような雲に移って、其処に名残の光が樺色に燃えている。