후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
塩山駅で下車すると案の如く空は雲切れがして程なく晴れそうな気配だ。いつも五月の秩父の旅では出懸に降られても、山に這入ってからは天気の好くなることを信じている田部君は、てんで雨の用意などはしていない。自分は大きな油紙に重い雨合羽まで支度して、役にも立たぬ苦労をした。
此処から広瀬に至るまでの道は、正面に奇怪なる乾徳山の姿を眺め、次で途中一ノ釜の壮観も見られるし、滑沢ノ瀑も立派であれば、更に上流の岩崖には、藤や躑躅の花が時を得顔に咲き匂って、笛吹川の碧潭に影をしているなど、捨て難い風情はありながら、何度となく通り慣れては飽きる程長い。広瀬に着いたのは六月一日の午前十時十五分。この寒村に宿屋のなかった頃は、各自に家からわざわざ米を持って行ったものであるが、今度は其労を省いて、此処で米二升四合を買い入れた。六食二日分の量にしては少し多いのであるけれども、前回の苦い経験に鑑みて、余分の糧食を携えたのである。空は晴れたが雲は頻りに飛んで、間近く見える筈の破風も木賊も姿を露さない。
バラ平を過ぎて子酉川が左に折れるあたりから、道は河に沿うて木立の中に這入って行く。