후리가나로 읽는 일본 고전
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ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
永井 隆의 ロザリオの鎖(ロザリオのくさり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,351자 · 213화면
爆心地の残留原子放射線の人体に及ぼす影響を知ろうというのが私の目的でした。大人ばかりでなく小児についても精密な連続観察をするため誠一も妹のカヤノもその小屋にいっしょに六か月住んでみました。爆心地の残留放射能は時日の経過と共にすみやかに減衰し、二か月以後は人体の健康を損なわぬ程度になることやら、ここに来住して一か月ほどたつと放射線の刺激によって軽い白血球増加症が起こることやら、いろいろの事実がわかりました。この自家実験にもとづき、私は避難民に、爆心地居住は衛生上危なくないからすみやかに帰って来て再建を始めるように広く呼びかけました。こうして私ら父子は市民としての医学徒の義務の一部を果たしました。
このトタン小屋の半年は人間の最低生活でした。雨の夕には、かまどがぬれて飯もたけず、雪の朝には、毛布の上が白くなっていました。そんな苦しさもわびしさもさることながら、誠一の幼な心にせつなかったのは、朝床に目ざめて横を見たとき、母のないことではなかったでしょうか?──あの子はあの日からのち私の前では一度も「お母さん」と呼びませんでしたけれども。
散らばる白骨と明け暮れを共にするこのむごい生活をあえて誠一に体験させたのは、あの子に戦争の本能を骨の髄にしみるまで覚えさせるためでした。