후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
永井 隆의 ロザリオの鎖(ロザリオのくさり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,351자 · 213화면
おツネさんが生きていたらさぞ……」
と昔を懐かしがった。おツネさんとは私の母でお鉄おばさんのいとこにあたっていた。母はそれより五年前にすでに亡くなっていた。
父は松江の田野という婦人科病院の代診をしていた。湖にのぞむ大きな病院だったが、父母はその中門のひと間に貧しく暮らしていた。初産だったので、世話好きのいとこのお鉄さんが付き添っていた。父はちょうどそのとき往診に出て留守だった。陣痛が強くなって破水が起こり、胎児の頭は産道にのぞいたが、それっきりひっかかってしまったのである。母はそう小柄な体でもなかったが初産であったのと、生まれる前からのんき者だった私が少し長く胎内にねころんでいるうちに太くなり過ぎたせいだった。何時間待っても頭が半分のぞいたきりでこの世へ出て来ない。このままに放っておいたら赤ん坊はもちろん、母体も危ない。病院長先生はいよいよ器械で切り出すことに心を決めて、お鉄おばさんにそう告げた。看護婦が頭の骨を割る器械や、切る刀や、ひき出すかぎなど、ぴかぴかするのをそろえて持って来た。私の生命はまさに風前のともしびである。しかし私はそんな騒ぎが母の腹の皮一重外に起こっているとも知らず、ゆう然と産道にはさまっていた。