후리가나로 읽는 일본 고전
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おうべいかっこく せいきょうにっき
井上円了・世界旅行記
井上 円了
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N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 260,015자 · 519화면
第一、南球往航日記(ホンコン、カントン、マニラ紀行)
一、南球視察の目的
今日の青年は「埋レ骨豈唯故郷地、南球到処有二青山一」(骨を埋めるのはなにも故郷の地だけとは限らない、南半球の地の至るところに骨を埋めることのできる青山はあるのだ)の気慨あるを要す。いやしくもこの気慨あるものは、自国を遊園とし、海外を工場とし、よろしく遠く天涯万里に向かって雄飛活躍せざるべからず。国運発展の道も、けだしここにあらんと信ず。
もしこの瑣々たる小紀行が、いくぶんたりともわが同胞の海外発展を資するを得ば、大幸これに過ぎざるなり。
明治四十五年二月十五日著者しるす
第一、南球往航日記(ホンコン、カントン、マニラ紀行)
一、南球視察の目的
近年もっぱらわが国の社会教育、地方教育、民間教育に従事せし以来、自ら思うに、戦勝国の国民として世界に活動するには、海外の事情に通ずるを要す。ことに戊申詔書の聖旨のごときは、世界の大勢に伴って国運を発展するゆえんを示したまえるものなれば、これを奉戴服膺するにも、万国の形勢を知るの必要あり。しかるにわが国において、北半球の国情、民俗は比較的熟知せられ、かつ余も二回欧米各国を周遊したれば、一とおりの質問に応ずることを得るも、南半球にいたりては世間その事情に暗く、余もいまだ足跡をしるしたることあらず。