일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)

山の憶い出 上

木暮 理太郎

木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면

아오조라 문고

。雨は小降りとなったが雲が低く垂れて、近い前山の頂きさえ其処とも判らない。荷が重いのでよく休む。南日君の背嚢は蛙の腹のように膨れ返って、何かはみ出しているものさえある。聞いて見ると上高地で勉強する為に舶来の本を五、六冊詰めて来たのだそうだ。今迄一緒に旅行して遂に汗らしい汗を流したことのない南日君も、今日は洋服の上着を透して滲み出している。此時初めて南日君も汗をかく人だということを知った。

下萩原で橋を渡って笛吹川の右岸に移った。川の景色は悪くない。三、四町歩いて道端の飲食店で朝飯を炊かして食事を済す。一時間休んで九時に出発した。雨は歇んだが道は濘るので足が重い。十一時天科に着いて水を入れる用意に一升入れの石油缶を買ったなどは、奇想天外から来たと自慢する価値はあろう。広瀬に行く途中雲が切れて雁坂山と破風山を望むことが出来た。長く伸びた山の鼻を廻って少し登ると、原のような平に如何にも見窄らしい人家が十五、六軒あるのに気が付く。峠下の村であるから秩父の栃本位の処かと想像して、其処で昼食にする積りのあてはすっかり外れたので、振り返りもせずサッサと通り過ぎる。