후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
辛くも切明けの杭を探し出して、其方へ下りて行くと次第に人の通った跡らしい形跡が目に入る。三町程も下った頃茂りに茂った米栂の上を渡る拍子に、足を蹈み外して一、二間横に抛り出された。手に当る枝を力に起き上ると、生々しい松脂の香がぷーんと鼻を襲うて来る。怪んでよく見ると紛う方なき偃松の枝である。私は小躍りして喜んだ。秩父の山でこの懐しい植物に遭おうとは夢にも思っていなかったのである。南日君の来るのを待って、あった、あったと落物を探し出しでもしたように見せびらかす。南日君も喜んだ。珍らしくもない発見であるが、兎に角嬉しかった。東京に帰って話をすると屹度口の悪るい連中のことだから、五葉の松を見て来たのだろうなどと冷かすに決っている。其時に痛いほど鼻先に突き付けてやろうというので、枝先を折ってカバンに入れた。しかし案じた程もなく真面目に話を聞かれたので、松葉攻めの計略は画餅に帰してしまった。何という運の好い人達であろう。
下り着いた鞍部は入川谷の木賊沢と子酉川のヌク沢との分水点に当っている。唐檜や白檜の密生した梭葉草の多い小山を二つ踰えて、三つ目の山に懸った。