일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)

山の憶い出 上

木暮 理太郎

木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면

아오조라 문고

金作を先へ立たして其後につくことにした。「こりゃ何でも前に人が通ったに相違ない」と言って指さすのを見ると、錆び朽ちて正体もない刃物の欠らであった。岩崩れがして凄じくのり出した崕の下をソッと通り抜けて明るみに出る、這いつくばった蟾蜍のような岩が二つ三つ重り合って、狭い谷の口を遮っている。其根方に荷を卸して長次郎が休んでいた、如何だったと聞くと、ひどいひどいと云う。時計を見ると二時を五分過ぎていた。釜谷の入口から此処迄五、六町の間を一時間費した訳だ。私は行手の様子が気に懸るので、岩の上に登ってひょいと首を出すと、茫っとした白いものが眼に入った、雪渓! 脚の下から――何処まで続いているか分らない。表面からは濛々と立ち昇る烟のような霧が、吹き下ろす風に捲かれて、雪渓の真中を渦を巻きながら押し寄せて来る、凝っと見ていると霧に足が生えているようだ、あの中を魔が通っているのではないかと想った。体が総毛立って冷りとする。明るみに出た時、急に寒くなったと思ったのはこの所為であったのだ。少し後れて南日君までが汗を流して河の中を登って来た、そして代る代る岩の上から首を出して雪渓を眺めた、誰の顔にももう占めたものだという文句がありありと読めた、三十分の後に恐ろしい舞台が私達の登場を待ち構えていたとも知らずに。