후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
荷が無いので著しく足の早い長次郎達は、偃松の茂みに隠れたかと思うと早くも右に延びて小さな尾根の上に頭だけ出して前を眺めている。「どうだ、行けそうか」と後から声を懸けながら漸く追い着いた。返事の無かったのも無理はない、前は底も見えないような深い谷が三方を怖る可き絶崖に取り巻かれて、末端からは雪の瀑を小窓裏の大雪渓に奔注している、としか想えない。殊に東の方七、八十間の距離に聳えている大窓の頭の最高点は、百五、六十米もあろうと思われる大峭壁を、其乳房状に尖った絶巓から直に峭り落して、まるで赤煉瓦で積み上げた巨大なる殿堂の壁が猛火に焼け残った儘突立っているようだ。登ることは勿論横に搦むことも絶対に不可能であると事が極れば、反て恐ろしくも何ともない。安心して見ている中に峭壁の中央目八分の高さで何か動き出したように想われた、瞳を据える間もなく突然大きな岩が抜け出して、其儘まっしぐらに遥かの谷底へ落ちて行く、ドーンという凄まじい響が脚の下から起って、頭の脳天へ突き抜けたように感じた。無数の岩塊が跡からも跡からも止め度なく崩れて、谷の中は一しきり速射砲を釣瓶打ちに放ったような音が鳴り止まずにいた。