일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)

山の憶い出 上

木暮 理太郎

木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면

아오조라 문고

樹は小さいが今を盛りに咲き誇った山桜の花蔭では、大伴ならぬ山の旅人も一枝かざして何か舞いたいような気も起る。雪消の名残を止めた小石交りの斜面には、目も醒るばかりに鮮かな深山毛莨の群落に交って、大桜草のくれないが口紅濃やかな御達等の面影を偲ばせている。其中に転がって見たいようだ。此日頃厳つい偃松の枝や荒い山上の風にのみ撫でられ晒されて、骨の髄までサラサラに荒け切った体には、斯うした溢れるような柔い色彩の感じは、最も懐しい者の一である。

ぐるり山の鼻を廻ると打ち開けた岩の多い緩傾斜の窪地に、入口を此方に向けて建てられた見窄らしい鉱山の事務所が現れる、其下の方にも二つほど可なりの建物があった、飯場であろう。附近には大桜草、白山小桜、深山毛莨、大葉の黄菫などが、空疎ではあるが思ったより水気のある地膚の所どころを美しく飾っている。筧の水をうけ入れた桶の中には、見事な山桜の枝が無造作に投げ込んである。直ぐ側には下葉を摘み採られて茎の伸びた五、六本の青菜がそれでも花を着けている。米と味噌が少し不足して来たので、是非ともそれ丈買い入れる必要があった。長い間懇願の末漸く「余分に貯えてある訳ではないが、こんな山の中で御困りになっているのを断るのも御気の毒であるから、米の五升位はお譲りしましょう」