일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)

山の憶い出 上

木暮 理太郎

木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면

아오조라 문고

緩やかであった雪渓は登るに従って傾斜が次第に増して来る。私達は余り物も言わないで足元に目を配りながら、思い思いの方向を取って静かに歩を運んだ。雪の表面は平ではない、波紋のような凸凹の外に雪渓の全体に亘って河が合流する際に起る水脈のような大きなうねりがある、それが左右から中央に向って一つに合するらしく想像されぬこともない。私達は多くこのうねりの痕に蹤いて斜に登った。雪が溶けかかって表面が水気付いて来ると上滑りがするので、真直ぐに登るとこけやすい。

突然私達の行手に渓を横切って大きな岩礁が顕われた。草書の「以」の字に似ている、丸く盛り上った全渓の雪は、四つに岐れて狭い口からドッと迸り落ちている、構わず中央の最も急なものを勢い猛に登って行く。此下は深い瀑だと先に立った金作が教える。登り切ると雪渓は再び左右に拡まって傾斜も稍や緩かになるが、息を継ぐ間もなく前よりも激しい急勾配で全渓の雪が大きな堤のように高まっている。一様に平滑である斜面には、波紋のような凸凹はもう見られない。私は額を掠めて真白に輝くこの滝のような雪の高まりを振り仰ぎさま、暫く立ち止まって目を瞠らない訳には行かなかった。