후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
それを反て不思議にも私達は通いなれた道でも歩いているような、体まで寛いだ心安さと親しさとを以て之に接し得るのは、畢竟室堂の影が始終視界を離れない為であろう。人寰との交渉を断続した筈の高い処に、尚お余り小さいながらも縮図されたる下界が存在し、そこに風雨氷雪の危険と威嚇とに打ち克って、私達の心を威圧し慴伏せんとする山岳の絶対権威に抗して、人間最高の精神的努力が微かながらも勝利を叫んでいる。それが潜在意識となって私達に異常の寛ろぎを与えるのであろう。室堂の存在は立山に取りて物質的損害を及ぼすことなしとするも、精神的には少なからず威厳を冒涜しているものと思われる。私は四度目の登山には是非とも荒蕩たる黒部の峡谷から、処女の純潔を保てる大雪渓の雪を蹈んで、この日本に於ける最高の花崗岩たる名を擅にす可き立山の絶巓に攀じ登り、飽かず驚嘆の眼をりたいと思っている。
岩に縋り付いて大汝の最高点に立った。立山三峰の中では雄山が一番低いかも知れぬ、少くとも此処の方が五米突許りも高いように想ったのは、必ずしも眼の誤りではないであろう。大蓮華山の方面では頻りに雲が湧き上っている。