일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)

山の憶い出 上

木暮 理太郎

木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면

아오조라 문고

黒部川の峡谷

もう如何なるものでもない、此処へ泊ろうと誰か言い出す。野営には申分のない地形である。北から西は五、六尺の高さに大岩が重り合って、自然の石垣を作っている。其下に浅いが冷い水を湛えた二坪あまりの池があるので炊事に不自由はない。南は直ぐ湯川に臨んだ懸崖であるが、長い偃松がうまく屏風を立て廻している、燃料はもとより豊富だ。其間の平な草原へ形よく天幕を張って、疲れた体を焚火の前に横たえた時は、誰の顔にも不満らしい影は見られなかった。

黄昏の空に明るかった雲の峰も、白く褪せ灰色に化けて、果ては天外から地球へ投げかけた妖しい影のような、紫がかった鼠色の気層の中に吸い込まれて了った。蒼黒く冴えた頭上に二点三点と星の光が数えられる頃から、強くはないが物を吹き透すような鋭い北西の風が石垣の岩角を掠めて、折々窪地へ颪して来る、毛布にくるまって雑談に耽っていた私達は、皆急いで天幕へ這入った。外では焚火が一しきりぽうっと明るくなっては復た暗くなったりしていた。

黒部川の峡谷

八月一日。午前七時、浄土山西側の野営地出発。三十分にして竜王岳絶巓に達す。眺望広豁、遠く富士及赤石山脈の諸山を望む。