후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
湿っぽい草の香が鼻から這入って、ツーンと頭へ抜ける。矢張人気の無い所だけあるなと思う。太い蔓などが灌木と搦み合って邪魔をしている所では、頭にカギのある幅広の鉈がキラリ閃く、そんな事が度々あった。道のある所だと云ってもこの通りだ。こりゃ楽ではないわいと坐ろに不安の念が漂う。其癖心はぐいぐい奥の方へ引張られて行くのだ。途中助七は蝮蛇を一疋見つけて、ちょいと頭を叩いて打殺し、杖の先にかけてぽんと川に投げ込んでしまう。無造作なものだ。
欅平の谷へ来た。前面が俄に開けて高い岩の上に導かれた。上流奥鐘山の絶壁の突端から、際どく身を交しながら忽然と走り出した黒部川は、茲に全容を曝露して、白泡を噛んで六、七町の間を躍り狂って来るが、一度足元の崖下にのめり込むと、ワーッと声を揚げた儘もう何処へ行ったか判らない。雲間を洩れた太陽が強烈な光を投げて、瀬も淵も岩も眩いまでに輝いていた。水の涸れた九月には、ここから下りて河の中が歩けるという。これから針金や桟道の残っている岩壁の横を二度許り通って、草の茂った急崖を一息に下ると、蜆谷の落口に当る本流の底に立った。そしてまじまじと四辺を見廻して悸とせずには居られなかった。