후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
が、結局遠くとも安全な道に就くことにした。長い長い羊腸の登りが始まる。この道は八年前に助七のつけたものだそうだ。森の中は思った程ひどい藪ではなかった。木立が密蔽しているので、下木は余り伸びられないのだ。併し登りは飽きる程長い。途中水楢の大木の根元が洞穴になっているのを見た。熊の穴だそうだ。羚羊の寝た跡もあった。一時間半を費して漸く黒木の多い尾根の頂上に出た。前面が目隠しを取ったように開けて、眼下に今宵の泊場所と決められた折尾谷が望まれた。其右岸の高い所にある岩壁に大きな洞窟ががっくり口を開けている。高い山は雲に掩われたり近い前山の蔭になったりして、あの心を唆る雪の姿は牛首山あたりに少し光っているのが眼に入ったのみで、黒部の本流も亦出入の激しい幾重の山裾に深く包まれて、唯一箇所赤茶化た崖の下に青白い水面をチラと覗い得たに過ぎなかった、アゾ原あたりであったろうか。
何処をどう下りたかは知らない。何でも始は急な山腹を木に攫りながら無暗と横搦みに下りた。谷らしい溝に出る。そこで助七が濡れ腐った落葉の塊を引掻廻して、十数疋の蚯蚓を掘り出したことを覚えている。