후리가나로 읽는 일본 고전
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ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
永井 隆의 ロザリオの鎖(ロザリオのくさり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,351자 · 213화면
私はこのごろになって若い日の父と母とが美しい理想を抱いてあの山の村に新しい文化を作り出そうと努めていたことを知るようになった。二人はいつもいっしょに往診したり、医学書を勉強したり、三味線をひいて歌ったり、川へあゆをとりに行ったり、山登りをしたり、乗馬の手入れをしたりしていた。その姿が懐かしく尊く思い出される。
父は直腸ガンで五十九歳のとき世を去った。
母はほとんどとしごのように続けて五人の子を生んだ。貧しい開業医の妻として、代診として一方には村の文化を高めるための仕事もあったし、私たち五人を育てるのは並み大抵の苦労ではなかったろう。しかし私はまゆの寄っている母の顔を見たことがない。いつも明るく笑って、くったくのない声で話した。しかし私らに対するしつけは厳しかった。いたずらや、あやまちは少しもとがめなかったが、わがままと生意気だけはたしなめられた。父も母も一度だって私に「勉強しなさい」と言ったことはなかった。私は父と母とが毎夜いかにも楽しそうに勉強しているのを見て、勉強は楽しいものだなと思った。山ばとの鳴く夜、ランプの下で、一冊の医書を中に向かい合って静かに勉強していた若い父母だった。