후리가나로 읽는 일본 고전
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ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
永井 隆의 ロザリオの鎖(ロザリオのくさり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,351자 · 213화면
ちぢこまっている友の情けにほろほろと涙しつつころがっている私だった。
蔵書をすべて灰にされて、ただ一冊の聖書をいただき、これさえあれば一生ほかの本はいらぬと熟読黙想している私だった。
──あのころの私の心は満ち足りて、あらゆるものに感謝していた。
それから二年たった。
米のめしにビフテキが食べたいなあ、食後にコーヒーを味わいたいなあ。肌ざわりのさらっとしたかたびらを着たいなあ。六畳ひと間ではどうも不便だから八畳と四畳半を建て増そうかしら。どうも屋根裏がまる見えなのは体裁が悪いから天井を張らねばなるまい。お客様用の座ぶとんと、きれいなテーブルも欲しい。それから蓄音器と冷蔵庫とパン焼きかまど。それから欲しいものにきりがない今の私である。
二年前の焼け出された当時にくらべたら、今日の私の生活は極楽だ。しかるに心はまるで餓鬼地獄の亡者みたいである。
戦災者の復興──なるほど物質的には豊富になった。しかしそれと反比例するかのごとく、精神的には貧困になってゆく。物足らずして心足っていた私は、今物足りて心足らぬものとなった。
さて物足ればおのずから心足らなくなるものか? それとも心足らざるがゆえに物欲しくなるものか?