후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
それにしても一里余りの伏流は少し大袈裟な様である。シッケイガマハシは長い岩壁を搦みながら廻る所で、丁度地図の小穂口山の東に当っている。生咋附近から上流になると、山側の傾斜も急であるし、横尾根は孰れも痩せて岩石の露出した鎌尾根で、其間の沢は細い上に深く且瀑が多いから、上るにしても下るにしても、夏季の雪渓の頃は反て困難であり危険の場合がある。若し積雪全渓を埋めて固く凝結した晩冬初春の候か、又は雪が溶け去った九月下旬であるならば、其困難も危険も無視して差支ない程度に緩和されるであろう。
水長沢の合流点から下流は、水量は益多くなるが反対に勾配は愈緩くなって、大淵に至る迄の六、七里の間に於て二百余米の落差あるのみであるから、勾配の激しい河床を怒漲奔※して矢のように流駛する壮快な急流の趣は甚だ乏しい。況して百尺の崖底を大嵐のような音を立てながら地響打って滝のようにたぎり落ちて行く豪宕な峡流の面影は猶更ない。言わば尋常一様の谷川であるに過ぎないが、それでも河原が開けて針葉闊葉の美しい樹林がひたひたと河波の打寄せる水際まで生え続いている一方には、又サルバンネ(猿飛)、エイガヘツリなどいう岩壁の狭間や大磐石の懸崖状に露出した所などもあって、流石に幽峭なる渓谷の景致を存している。